Q.前事業年度の法人税の確定申告について、税務調査により更正を受けました。更正を受けた事項の事後処理はどのようにすればよろしいですか。決算上の修正事項と申告書での調整事項に分けて説明してください。
A.更正通知書で指摘された項目は、決算上調整が必要なものと、申告上だけで対応できるものの2種類に分けることができます。例えば、交際費等の限度超過額や役員給与の否認は、主に決算上の修正が必要であり、これらは損金計上できない項目として扱われます。一方で、減価償却費の限度超過や準備金の繰入れ超過額などは、後日損金として計上可能な項目であり、これらは留保項目とされます。さらに、留保項目は長期と単年度の留保項目に分割でき、長期留保項目は将来的に損金計上するため、決算上の修正仕訳が必要です。単年度留保項目は、翌事業年度の申告で調整し、留保分を消去することが可能です。
更正の影響を受けた事業税や特別法人事業税については、更正後1ヶ月以内に修正申告を行うことで過少申告加算金を回避できます。また、更正通知を受けた事業年度末近くで、法人税や地方税の納付が完了していない場合、特定の注意が必要です。具体的には、増加した事業税等は当事業年度の損金として計上可能であり、未納の法人税増加額は次期の利益積立金に影響を与えます。更正通知書で示された利益積立金額は、実際の住民税の修正申告後の額に基づいて修正する必要があります。