Q.同族会社に該当するかどうかの判定に当たって、従業員持株会は同会を1人の株主として判定するのか、同会の会員それぞれを1人の株主として判定するのか、いずれでしょうか。
A.従業員持株会の場合、会員それぞれがそれぞれの保有する株式や議決権に応じて会社に対する権利を行使できます。民法では、従業員持株会が持つ会社の株式は全会員で共有されていると見なされ、共有者は自分の持分に応じてその財産を使用できます。株式を持つことは準共有の関係にあたり、共有物についての権利を共有者が個別に行使できるとされています。会社法においても、持ち株会の会員それぞれが株主であることが認められています。そのため、従業員持株会の株式は全会員に配当金が分配され、所得税法上、配当所得として各会員に課税されます。また、株主総会では、持株会の会長が選出され、株主としての権利を行使しますが、これは会社側から見ても拒否できない状況です。従業員持株会が50%以上の株式を持っていても、会員それぞれが株主として議決権を行使できるため、従業員持株会を単一の株主として見ることはできず、特定同族会社に該当するとは判定されません。