Q.借地権の設定による土地の賃貸に当たって権利金を収受せず、相当の地代を収受することとした場合でも、法人税法施行令第138条第1項の規定による土地の帳簿価額の一部損金算入は認められますか?
A.他人に土地を使用させる際に、権利金の代わりに適切な地代を収受する場合でも、土地の価値は依然として高い地代が得られることから低下していないと考えます。したがって、借地権の設定によって土地が価値が下がったとは見なされず、法人税法施行令第138条第1項の規定に基づいて、土地の帳簿価額の一部を損金として計上することはできません。この規定で言う「借地権設定直後の土地の価額」は、その土地の収益力に基づいて算定されます。権利金の受け取りの有無に関わらず、借地人の建物が存在している条件が同一であることから、第三者への販売価格に違いは生じません。しかし、地代に基づく収益還元法で評価した場合、高額な地代を受け取れる土地は価値が下降していないので、借地権設定前の価額と比較して価値が下がることはありません。