Q. 当社は中小企業者です。M&Aによるリスクに備えるための準備金の繰入れができるとのことですが、その内容について御説明ください。
A. この制度は、2021年度の税法改正で新設されたもので、特定の条件を満たす中小企業が対象です。この制度を利用することで、M&Aによる経営統合後に発生するかもしれないリスクに対して備えることが可能です。具体的な内容は以下の通りです。
1. **適用対象法人**: 青色申告をする中小企業で、2021年8月2日から2024年3月31日の間に経営力向上計画についての認定を受けた法人が対象です。ただし、特定の業種は適用外です。
2. **適用要件**: 対象となる企業が、経営力向上計画に基づき、他法人の株式等を購入し、その事業年度終了日まで所有し続けている場合に適用されます。ただし、株式等の取得価額が10億円を超える場合は適用外です。
3. **準備金積立ての損金算入限度額**: 取得した株式等の価値が下がった場合に備え、取得価額の70%以内の金額を準備金として積み立てた場合、その金額を損金に算入することができます。
4. **準備金の取崩し**: 積立てた準備金は、積立てから5年経過した後の5年間で均等に取り崩し、益金に算入する必要があります。また、特定の事情が発生した場合には準備金を早期に取り崩す必要があります。