Q.税法上の圧縮記帳にはどのような方法がありますか?
A.税法で認められている圧縮記帳は、法人の収益の一部を税金の計算で後回しにできる制度のことを指します。これには国庫補助金、保険差益、特定資産の売却益などが含まれます。この制度により、これらの収益に相当する部分の帳簿価額を下げることで税金の支払いを先延ばしできます。圧縮記帳には様々な項目があり、それぞれ複雑な規則が存在しますが、基本的には次の2つの方法があります。
1. 取得資産のために金銭支払をしない場合、譲渡資産の帳簿価額を取得資産に付け替える方法があります。この場合、確定決算や剰余金の処分で圧縮積立金を作ることはできません。交換によって得た資産や換地処分によって得た資産などがこれに該当します。
2. 取得資産のために金銭の支払をする場合、取得資産の帳簿価額を直接減額する方法の他、特定の条件下で圧縮積立金を設けることが可能です。この方法では、確定決算時や剰余金の処分を通じて圧縮積立金を積み立てることが認められています。
期末までに取得資産をまだ獲得していない場合は、受け入れた補助金や保険差益などを特別勘定に計上する方法があります。これは、将来、圧縮記帳対象資産を獲得した際に、特別勘定を解消し、上記の方法で処理します。
ただし、圧縮記帳が租税特別措置法に基づく場合は、「租税特別措置の適用額明細書」を法人税中告書に添付する必要があります。