Q.法人の所属する同業団体等のために支出した加入金及び会費は、加入金、通常会費、特別会費のいかんを問わず、すべて支出時に損金の額に算入することができますか。
A.法人が加入する同業団体等は、通常は法人格を有していないため、これらの団体が会員から徴収する加入金や会費は収益事業に関するものではなく、課税の対象になりません。そのため、会員が支出する加入金や会費を支出時に無条件で損金に算入することは、税制上の問題を引き起こす可能性があります。
加入金に関しては、その移転可能性に基づき、以下のように扱われます:
1. 移転不可能な場合は、同業団体等から受ける会員としてのサービスのために支出した費用とみなされ、繰延資産(繰延資産の償却期間は5年)として処理されます。
2. 移転可能な場合は、出資の性質を有するものとして扱われ、その地位を他に譲渡するか同業団体等を脱退するまで、損金に算入することはできません。
会費に関しては、通常会費とその他の会費に分けて取り扱われます:
1. 通常会費は、同業団体等がその業務運営のために経常的に要する費用の分担額として、その支出があった事業年度の損金に算入されます。ただし、同業団体等で不相当に多額の剰余金が生じた場合、当該剰余金が適正な額になるまでは前払費用として算入されます。
2. その他の会費(特別施設の取得・改良、会員相互の共済、懇親、政治献金などの特定の目的のために支出される会費)は、前払費用として、支出の目的に応じて処理されます。通常会費が特定の目的に充てられた場合も、その金額はその他の会費として処理されますが、懇親費や寄附金として支出される一部が業務運営の一環として通常必要と認められた場合は、通常会費として扱われます。