Q.法人税基本通達9-6-3の(1)の取扱いによって、売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒処理することができるのは、取引停止後1年を経過した事業年度に限られますか。
A.ご質問の売掛債権の貸倒処理が認められるケースについて、法人税基本通達9-6-3の(1)では「債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止した時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合」と規定されていますが、その後の貸倒れ処理を行う事業年度に関する特定の制限は明示されていません。これは、該当通達に基づく貸倒処理が最終的な処理ではなく、引き続き当該売掛債権の回収活動が可能であることを意味しています。ただし、貸倒処理の繰延べが恣意的に行われる場合、法人税法第57条第1項の規定による繰越欠損金の控除期間に関連して、課税上の不利益が生じる可能性があるため、そのような状況では貸倒処理による損金算入が否認される可能性があります。