Q. Aは、子のBに家屋を無償で貸し付けており、Bはその建物で青果業を営んでいます。A、Bは生計が別であり、Bは事業所得の計算上この建物の減価償却費を必要経費に算入していません。このような場合、譲渡所得の金額の計算上、建物の取得費の計算はどのようになるのでしょうか。
A. この場合、建物の取得費は、建物を取得するときに必要だった費用、設備費、改良費を合わせた額から、建物の減価償却費の合計を引いた金額です。AとBが生計が別で、建物の貸し付けが使用貸借の場合には、その減価償却費は特定の計算方法に従って算出します。譲渡所得を計算する際、財産の取得費としては、その財産を取得した際の費用と設備費、改良費を全て合わせた額が基本です。ただし、譲渡される資産が家屋のように使用や時間の経過で価値が減るものの場合、取得から譲渡までの期間において、特定の期間ごとに償却費を計算し、その合計を取得費から差し引きます。具体的には、資産が収益を生み出すために使われていた期間における償却費の合計、またはその他の期間については法定耐用年数に基づいて計算した償却費を合計し、これを取得費から引きます。AとBが一緒に生計を立てていた場合、Aの建物の減価償却費はBの事業所得の計算時に必要経費として算入しますが、生計が別の場合には、ここで説明した計算方法に基づいて減価償却費を算出します。