Q. 当社工場の敷地の一角を市の公道拡張のために寄附しました。この土地の時価は300万円で、帳簿価額は10万円です。税務上、地方公共団体への寄附金として、全額損金算入できるかどうか教えてください。
A. 法人税法では、寄附金には資金的な支出だけでなく、物品や経済的利益の提供も含まれます。寄附物品の場合、その時点での価値が寄附金額とみなされます。従って、市へ300万円分の土地を寄附した場合、それが特定の個人や組織に限定されずに市の公道として使われるなら、全額が損金として認められます。ただし、寄附によって設置された施設を寄附者が専用利用することがあれば、その寄附金は損金とは認められず、帳簿上別途扱われます。また、法人が利用する土地のための私道を寄附した場合、その価額は土地の帳簿価額に振り替えられ、寄附したことによる損失は発生しないとされています。税務申告では、寄附金額を特定の欄に時価で記載し、帳簿価額で記載した場合、欠けた情報を提供しているとみなされる場合があります。しかし、物品を寄附し、その価値を帳簿価額で計算し申告した場合でも、それが価値より低い場合、特別な事情が認められれば、実際の価値に基づいた寄附とみなすことが可能です。