使用人に賞与の支給通知後のカットに関する取り扱い

Q.法人税法施行令第72条の3の第1号又は第2号の規定により使用人に支給額の通知をした賞与の一部を支給カットした場合、前事業年度終了の時に未払費用に計上した賞与のうち損金不算入となるのは、その全額ですか。それとも支給しなかった部分の金額だけですか。

A.法人税法施行令第72条の3の第1号及び第2号は、使用人賞与に関する「事業年度終了日までの債務確定」の要件を設けています。事業年度終了日までに使用人全員に賞与の支給額の通知を行いましたが、その後一部を支給しない決定をした場合、未払費用に計上した額の全てが「確定債務」とはみなされず、そのため全額が損金不算入となります。翌事業年度以降に資金状況の悪化や業績の下降などの理由で賞与の一部支給をカットする必要が生じた場合でも、一度通知した支給額については修正ができないため、未払費用として計上した額の損金算入もできません。さらに、支給日までに退職した使用人に対して賞与を支給しなかった場合、同様に全額が損金不算入となります。ただし、支給日までに不祥事などで懲戒処分を受けたことにより賞与が支給されない場合は、支給されない合理的な理由が認められるため、該当する使用人に対する賞与相当額は益金の額に算入する扱いとなります。

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