事前確定届出額どおり支給しなかった場合

Q.令和5年12月11日と令和6年6月17日に役員Aへそれぞれ200万円の給与を支給すると株主総会で定め、事前確定届出給与の届出を行ったが、実際の支給額が予定と異なる場合、どのように取り扱われますか?具体的には、(1)令和5年12月11日の支給額が150万円、令和6年6月17日の支給額が200万円、(2)令和5年12月11日の支給額が200万円、令和6年6月17日の支給額が150万円の場合はどうなりますか?

A.事前確定届出給与とは、役員にその職務執行期間に支払う給与の額を事前に定めて届け出る制度です。もし届出した給与額と実際に支給した額に違いがあれば、その支給額の全額が損金に算入できなくなります。特に、複数回にわたって支給がある場合は、その期間全体で見て届出どおりに支給されたかが評価の対象となります。

具体的に、質問の(1)では、第一回の給与支給額が届出額と異なるため、その時点で職務執行期間を通じて届出額通りに支給されていないと判断され、令和6年6月の給与も損金に算入できなくなります。

一方で、(2)の場合、令和5年12月の給与支給は届出どおりですが、令和6年6月の支給額が届出額と異なるため、結果的に職務執行期間を通じて届出額通りに支給されていないと判断されます。ただし、この場合令和5年12月の給与は損金に算入可能ですが、令和6年6月の給与は損金に算入できません。これは、令和6年6月の給与支給が令和6年3月期の課税所得に影響を及ぼさないからです。実際に令和6年3月期では届出通りに支給されているため、税務上の弊害はありません。

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