Q.青色事業専従者である人はなぜ扶養控除や配偶者控除の対象とされないのですか?
A.青色事業専従者給与の取り扱いは、親族に支払う報酬を必要経費に計上する特例です。この特例のため、一般の給与所得者と違い、年齢や過大な給与に関する特別な制限があります。これは、親族間での給与条件の決定に自由度が高く、税制の公正性を守るための措置です。一方で、一般の給与所得者は、年間の所得が一定額以下の場合、扶養控除等を受けることが可能です。しかし、青色事業専従者にはこれが適用されず、理由は専従者給与の計上と扶養控除の適用が同時に行われることにより、その効果が事業主に倍増されることを避けるためです。青色事業専従者給与と扶養控除を重複して適用すると、実質的には控除額を大きくする同じ効果が発生します。一般の給与所得者の場合、必要経費の計上と扶養控除は異なる対象に対して行われるため、このような倍増効果は発生しません。このような背景から、青色事業専従者給与と扶養控除の重複適用を認めない理由がわかります。また、専従者給与に関しては、適正な額で支払われている限り認められ、結果として扶養控除等の減税効果をその給与でカバーできるとされています。ただし、青色事業専従者は、専従者給与を必要経費に計上したうえで、扶養親族や控除対象配偶者として申告することはできないので注意が必要です。