事業用資産の有姿除却

Q.私は鉄工業を営む青色申告者で、工場内に受注がなく全く稼働していない機械設備があります。不景気で将来再び受注があるかどうか分からないため、除却したいと考えています。しかし、取り除くのに多額の費用がかかるため、そのままの状態で除却処理をしたいのですが、認められますか?

A.固定資産の耐用年数を過ぎたり、使用価値がなくなったとしても、その除却や廃棄に多額の費用がかかる場合や、僅かながら再使用の可能性があるために保留している場合があります。このような状況であっても、ただ放置しているだけや、わずかな再使用の可能性のために保有していることが除却処理を認めない理由になるのは現実にそぐわないことです。従って、次のような資産については、そのままでも未償却残額から処分見込価額を差し引いた金額を必要経費に算入できます。1) 使用を停止し、今後通常の方法で事業に利用する可能性がないと認められる固定資産、2) 特定製品の生産用に専用されていたが、その製品の生産中止により将来使用される可能性がほとんどない金型等です。しかし、質問の場合、景気が回復すればいつでも使用を再開する可能性があるため、除却にかかる費用だけが理由で現状のまま除却処理することは認められません。

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