Q.台風による雨漏りで商品が損傷したため、棚卸資産の評価損を計上できないか。
A.棚卸資産を評価損として計上することは、通常、物価の変動や過剰生産、建値の変更などの理由では認められません。これらは単なる損失の見積もりに過ぎないからです。しかし、特定の条件下では評価損の計上が認められます。これには、(1) 災害により棚卸資産が著しく損傷した場合、(2) 棚卸資産が明らかに陳腐化した場合、(3) 特別の事情がある場合が含まれます。台風による損傷は、この例外の(1)に該当するため、その年の末日の時価で評価することができます。
陳腐化については、商品が物理的な欠陥がなくとも、経済的な変化によってその価値が大きく低下し、回復が見込めない状態を指します。例えば、季節商品が売れ残ったり、新製品により既存商品が陳腐化することが例として挙げられます。また、「準ずる特別の事実」としては、商品が長期間売れずに棚にある状態、破損、型崩れ、品質変化などが含まれます。