適格組織再編成 (5)一適格現物分配の意義

Q.法人税法第2条十二の十五に規定されている適格現物分配とはどのようなものなのか、説明してください。

A.適格現物分配とは、100%グループ法人税制に基づく制度により、グループ内の企業間で資産を移転する際、その損益を繰り延べることができるようになった仕組みです。この制度は、平成22年の税制改正によって導入されました。具体的には、完全に支配する子会社から親会社へ剰余金の形で資産移転を行う場合、資産の譲渡とはみなされず、適格現物分配制度を利用することによって対応します。

「現物分配」は、法人がその株主に対して、金銭以外の資産を交付することを指します。これには剰余金の配当や利益の配当、解散時の残余財産の分配などが含まれます。適格現物分配は、直前に完全支配関係にある内国法人(普通法人や協同組合等)間での現物分配を指し、適格合併や適格分割、適格現物出資といった他の制度に比べて特定の要件がないのが特徴です。

この制度の多くの事例としては、完全支配下の子会社から親会社へ剰余金の形での資産移転や、完全子会社の解散に伴う残余財産の分配があります。また、100%グループ法人税制内での株式保有関係において、内国法人間での現物分配が行われる場合も、適格現物分配に該当します。

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