Q.退任により欠員が生じた場合の退任取締役又は監査役、登記されていない取締役、執行役又は監査役は税法上の役員に該当するのか。
A.会社法によれば、役員が辞任や任期の満了で退任しても、新しい役員が就任するまでの間、その退任役員は引き続き役員としての権利と義務を持ちます。これは、会社の経営を継続させるためです。税法上では、取締役や執行役の業務は「経営に従事する業務」にあたるため、これらの役職の退任によって欠員が生じた退任取締役はみなし役員に該当します。しかし、監査役が退任して欠員が生じた場合、監査役は経営に従事するとは見なされないため、みなし役員には該当しないとされます。また、裁判所によって一時的に選任された役員も、取締役や執行役の職務を担う場合はみなし役員に該当しますが、会計参与や監査役の職務を担う場合には該当しないとされます。一方で、株主総会等で選任されながら登記が遅れている取締役や執行役などについては、登記の有無にかかわらず、役員としての選任事実のみで税法上役員とみなされます。登記は主に善意の第三者に対する保護手段であり、役員の地位は選任によって確立されるためです。