Q.資本的支出を行った場合、その対象となった資産及び資本的支出について償却限度額はどのように計算するのでしょうか。
A.資本的支出を減価償却資産に行った際は、その支出の金額をその資産の取得価額とみなします。これにより、既存の資産と資本的支出は別々の資産として扱われ、それぞれに異なる減価償却方法が適用されることがあります。例えば、ある会社が建物に500万円の資本的支出を行った場合、既存の資産は定率法で償却できますが、資本的支出部分は定額法で償却する必要があります。このため、それぞれの償却限度額を別々に計算し、次の事業年度でも同様に別々に扱います。税法改正前は、資本的支出の金額を既存資産の取得価額に加える方法が一般的でしたが、改正後は資本的支出を別の資産として扱うことが基本となっています。ただし、特定の条件を満たす場合は、既存資産の取得価額に資本的支出の金額を加算することが可能です。また、定率法を用いる場合に複数の資本的支出を行ったとき、それらを合わせて一つの資産として扱うこともできますが、これは資産の数を増やしたくない企業に配慮した措置です。