Q.商売上の資金を借り入れる際に、私の所有している土地の所有権移転登記を債務弁済の担保として行いました。登記簿上の名義は資金の貸し手である相手方の名義となっていますが、私が借入金の利息および固定資産税を支払っています。この状況で、名義変更により所得税の譲渡所得として課税されるのでしょうか。
A.土地の所有権移転が譲渡担保を目的として行われた場合、所得税の課税対象にはなりません。譲渡担保とは、資金を借りる際に、担保目的で土地などの登記簿上の所有者の名前を変更することを指します。この処理は対外的には所有権の完全な移転と見えますが、実際には担保のための約束に過ぎないため、真の意味での所有権の移転は発生していないとされます。債権担保のみを目的とする名義変更という条件、さらにそれが税務署に正式に報告されている場合、その譲渡は課税対象外となります。ただし、条件を満たさなくなったり、借りた資金の返済が不可能になり資産が実質的に債権者に移る場合は、その時点で譲渡したものとして課税されます。