訴訟費用と取得費

Q.私は、父から相続により取得していた土地を譲渡しようと思っていますが、この土地は父の生前中から材料置場としてAが使用していました。ところがAは、この土地は以前に父から譲り受けており自分のものであると主張し、登記名義変更の訴えを起こしてきました。裁判では私の主張が認められましたが、訴訟に際して弁護士費用等が相当かかりました。この場合、訴訟費用及び弁護士費用は、譲渡した土地の譲渡所得の計算上取得費又は譲渡費用になるのでしょうか。

A.ご質問の訴訟費用及び弁護士費用は、譲渡所得の計算において取得費や譲渡費用には含められません。通常、取得費には資産を購入する際の金額や設備費、改良費の合計が含まれます。資産が減価するタイプであれば、減価償却費を取得費から差し引けます。所有権に関する争いで直接発生した訴訟費や和解費用は、他の種類の所得計算で必要経費として扱われない限り、取得費に算入されます。譲渡費用では、譲渡に関係する費用で、取得費とは異なるものが該当します。これには仲介手数料や土地上の建物撤去費用など、譲渡のために直接かかった費用が含まれますが、修繕費や固定資産税など譲渡資産の維持管理費は含まれません。あなたのケースでは、既に所有していた資産に対する争いで発生した訴訟費と弁護士費用は、資産の維持管理費に該当します。

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