Q.資本金12億円の会社が解散した場合、欠損金の繰戻し還付についての特例はあるのでしょうか。令和4年3月期には所得金額が15,000千円で法人税額3,480千円を納付しましたが、令和5年3月期には欠損金額が18,000千円で、欠損金繰戻し還付制度の適用停止期間中だったため還付の請求ができず、令和5年10月31日に解散しました。この場合、欠損金の繰戻し還付についての特例はありますか。
A.はい、解散等の特定の事実が起きた場合には、欠損金の繰戻し還付に関する特例があります。この特例では、解散等の事実が生じた日の前1年以内に終了した事業年度、またはその日に属する事業年度に発生した欠損金に関して、事実発生後1年以内に繰戻し還付の請求が可能とされています。ただし、繰戻し還付を受けるためには、還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度において、連続して青色申告書である確定申告書を提出していることが必要です。
貴社の場合は、令和5年3月期は欠損金繰戻し還付制度の適用停止中でしたが、解散したことによる特例の適用を受けられます。令和5年10月31日前1年以内に終了した事業年度である令和5年3月期を欠損事業年度、令和4年3月期を還付所得事業年度として、解散の日から1年以内に欠損金繰戻し還付の請求が可能です。この特例に基づき、令和5年3月期を欠損事業年度として還付請求することで、3,480千円の還付を受けることができます。
解散等の特定事実としては、解散、事業の全部の譲渡、更生手続きの開始、事業の全部または重要部分の譲渡や休止などが該当します。また、還付所得事業年度において後日所得金額の更正や修正申告を行い法人税額が増加した場合には、提出期限内であれば、還付額の増額請求が可能です。