税法独自の繰延資産と資産に計上する場合の科目

Q.税法に規定されている繰延資産には、企業会計上の繰延資産に該当しない税法独自のものがありますが、どのようなものですか?また、貸借対照表の資産に計上する場合、どの科目に計上すればよいのですか?

A.税法では、企業会計上の繰延資産とは異なる特定の項目を繰延資産として認めています。これらは法人税法施行令と実務対応報告で5つの標準項目とそれ以外の景況に応じた6つ目の特例項目で構成されています。標準の5つには創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債等発行費が含まれます。また、税法独自の項目としては、長期にわたって効果がある支出(例: 公共施設の設置費用、権利金、広告宣伝費など)がこれに該当します。

税法独自の繰延資産を貸借対照表上にどのように計上すべきかについては、一般的に会計基準は繰延資産を特定の費用に限定しているため、これらを繰延資産として直接計上することは適正ではありません。そのため、税法独自の繰延資産は、繰延資産以外の適切な科目で資産に計上するか、または支出時に費用処理し、税務上は「繰延資産償却超過額」などとして申告調整を行うことが一般的です。例として、「賃借するために支出する権利金」のような無体財産権は、無形固定資産に計上が可能です。また、一部の支出は「投資その他の資産」として計上できることもありますが、「長期前払費用」としての計上は適切ではありません。これは、繰延資産と前払費用が異なる属性を持つからです。

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