破産手続開始の決定のあった取引先から売掛債権の一部を分配金として受けたとき

Q.破産手続開始の決定のあった取引先に対する売掛債権の50%について、前事業年度中に第3号の貸倒引当金の繰入れを行いました。当事業年度終了時には取引停止後1年以上経過しており、法人税基本通達9-6-3の(1)による貸倒処理を行おうと考えていましたが、債権額の10%に相当する分配金を受領しました。この分配があった場合、取引停止後の期間の算定が中断されるかどうか。

A.貸倒処理を行う際、最後の弁済期または最後の弁済が取引停止後である場合、その時点を基準に判断します。破産手続開始の決定後の分配金も弁済の一環として扱われ、取引停止後の期間の算定が中断されることになります。つまり、分配がある場合はまだ破産手続きが終わっていない可能性があり、貸倒処理を行うのは早すぎます。結果として、法人税基本通達9-6-3の(1)による貸倒処理をその年度には行えず、引き続き貸倒引当金の繰入れを行うことになります。また、貸倒引当金の繰入れを決める基準について、相手先の資産状況などが明確になり、残る配当予測から見て引当額が不足している場合は、より実情に即した引当金への変更を検討すべきです。最初の分配によって債権額が10%減少するため、貸倒引当金の繰入限度額も相当額が減少する点に注意が必要です。

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