特定同族会社の課税留保金額に特別税率が適用される理由

Q.特定同族会社の課税留保金額に特別税率が適用されるのは、なぜでしょうか。特定同族会社に対して、なぜこのような資本の蓄積に反する課税が行われているのですか。

A.特定同族会社では、配当を行わず社内で利益を留保することが可能です。配当を行った場合、株主に対しては所得税が課され、配当が多ければ多いほど税負担が大きくなります。配当以外の場合では、総合課税システムの下で累進税率が適用されます。しかし、同族会社では少数の人の意思で会社の重要な決定が可能なため、配当を行わないことや少額の配当しか行わないことで株主の所得税負担を避けることができます。そこで、社内での利益留保が株主への配当代わりに行われるとき、その留保利益に対して特別な税率を適用して課税することによって、配当を行わないことによる税の未納を防ぐためです。この制度は元々すべての同族会社を対象としていましたが、平成18年と平成19年の税法改正により、現在は特定同族会社のみがこの制度の対象となっています。

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