Q.私は本年、それまで個人事業として営んできた電器小売業を法人成りすることにしました。私が事業で使っていた資産の中には、一括償却資産があり、前年までに必要経費に算入されていない金額があります。この一括償却資産を法人に引き継ぐ際、必要経費に算入されていない金額はどのように扱われますか?
A.一括償却資産に関しては、その資産を構成する各減価償却資産が、たとえ売却や廃棄等があった場合でも、その取得価額に対応する金額を売却所得等の計算上で取得費用として差し引いたり、損失として記録することはできません。一括償却資産は、取得後3年間、年間均等償却しなければなりません。相続の場合、一括償却資産の取得価額の中で、まだ必要経費に算入されていない部分については、原則として故人が亡くなった年度の事業所得の必要経費として計上でき、例外的には、故人が亡くなった年度の翌年以降についても、業務を引き継いだ者が必要経費として計上することが認められています。あなたが法人化する場合、個人事業が廃止され、相続による事業承継とは異なるため、一括償却資産の取得価額の中でまだ必要経費に算入されていない部分は、すべて廃業した年度の事業所得の必要経費として計上する必要があります。