支配関係、完全支配関係の意義 とその相違

Q.100%グループ法人税制は、完全支配関係がある法人間の取引について適用されますが、法人税法の規定する完全支配関係とは、どのようなものですか。支配関係との違いも教えてください。

A.法人税法では、支配関係と完全支配関係という二つの概念を定義しています。支配関係は、ある個人または法人が、別の法人の発行済み株式や出資の50%以上を直接、または間接的に所有している状態を指します。この関係は、政令で定められている特定の関係を持つ法人や個人間でも成立します。一方、完全支配関係は、所有率が100%となり、ある個人または法人が別の法人の発行済み株式や出資の全てを直接、または間接的に有している状態を示します。この場合も、特定の関係を持つ法人間での完全支配も含まれます。

支配関係と完全支配関係の主な違いは、支配する株式や出資の割合にあります。支配関係は50%以上の所有を要求するのに対し、完全支配関係では100%の所有を要求します。理論上、完全支配関係は支配関係の一種とも考えられ、支配関係はより広い概念であり、完全支配関係を含む上位概念です。実務上は、これらの違いにより適用される税制が異なり、100%グループ法人税制の適用は完全支配関係にある法人間の取引に限られます。また、企業組織再編税制では、完全支配関係だけでなく、一定の条件を満たす支配関係にある法人間の取引も対象になり、これにより様々な企業グループ内での取引が支援されます。

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