復旧費用 (その2)

Q.私はブティックを経営していますが、災害により店舗にかなりの被害を受けました。このたび、店舗の修繕改築工事を併せて行うことにしましたが、この工事代金はすべて修繕費として必要経費となりますか?なお、この修繕改築工事は一つの工事により行いますので、どこまでが修繕のための工事でどこまでが改築の工事かについては不明です。

A.災害等により店舗などが損壊し、その建物を復旧する場合は、原状回復のために価値を増加させる改良工事も含めて行うことがあります。このような場合に工事費用を原状回復の費用とその他の部分の資本的支出に分けるのが困難な場合、雑損控除の適用を受けていない限り、工事費用の30%を原状回復のための費用とし、70%を資本的支出とする簡便計算が認められています。だから、質問の場合も工事費用をこれに従って分ける必要があり、全額を必要経費として扱うことはできませんが、この計算方法で原状回復費と資本的支出を決定できます。しかし、所得税法では、事業用固定資産の損壊による損失は強制的に資産損失として必要経費となり、工事費用のうち原状回復のためとされた部分も、損壊直前のその資産の帳簿価額に至るまでの金額が資本的支出となるため、工事費用全額の30%をそのまま修繕費として必要経費にすることはできません。前述したように、工事費用が被害前の効用を維持するための補強工事等に要する費用である場合、その全額を修繕費として必要経費に算入できます。

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