Q.建設会社が工事受注のために支出する設計図面作成費、交通費、交際費等は、開発費として、受注の成否にかかわらず、支出時に費用処理をすることができますか?
A.法人が市場を広げるために特別に支払った費用は、税法に基づく開発費として自由に償却できます。ただし、この開発費は、新しい市場を開拓するための広範な活動に関連する費用に限られます。特定の案件の受注や特定の顧客への販売活動に直接関わる費用は、その活動の成功や失敗が個別に明らかになるため、これを開発費として即時償却することは適切ではありません。そのため、お問い合わせのような具体的な案件に関する費用は、税法で即時償却が認められる開発費には該当しません。
税務上は、受注が確定する前の支出は失敗した場合に費用として処理されますが、成功した場合は、特定の案件に関する未成工事支出金として処理するかどうかが議論されます。企業会計基準にも、受注が確定するまでの費用は、保守的な会計原則に従い、支出した時点で費用処理することが適切であるとされています。ただし、受注が確定した後に支出した設計費などについては、企業が一定の基準に従って会計処理している場合には、その費用を含めることが認められています。