Q.社長所有の建物を社員寮にするために取得しました。当社が建物とあわせて借地権も取得することになりますが、時価は建物が1,500万円、借地権が1,000万円です。社長からの譲受価額は、建物と借地権を個別に計算しないで2,000万円としました。税務では、この2,000万円が建物と借地権の時価の比率3:2によって建物1,200万円と借地権800万円に区分され、それぞれの時価との差額について、低廉受贈益が課税されることになりますか。
A.土地と建物または借地権と建物を一緒に購入した場合、それらの価値比率に基づいて購入価格を割り振る方法があります。もし時価よりも低い金額で資産を購入した場合、普通はその差額について受贈益とみなされ、税金がかかります。しかし、借地権に関しては、借地権の設定により適切な地代を支払う場合、土地の使用が正常な取引条件で行われたとみなされ、借地権の時価と購入価格との差についての低廉受贈益に対する税金はかかりません。あなたの場合、社長から2,000万円で購入したのを時価の比率に従って分配せず、建物の時価1,500万円を先に払い、残りの500万円を借地権の購入価格とする場合、借地権の時価1,000万円に対して500万円しか支払わない場合でも、適切な地代を計算して支払うことで低廉受贈益に対する税金の問題は発生しません。この場合、適切な年間地代の計算式は、土地の更地価額から受け取った権利金の額または特別な経済的利益の額を引いた数値を基にして6%を乗じて計算します。したがって、契約書にはこのような売買価格及び地代の金額を明記し、契約書がない場合でもこの方法に従った会計処理を行うことで、建物についての300万円、借地権についても地代の額に応じて低廉受贈益が認定されることは避けられます。