市への道路用地の寄附とその舗装のための費用の負担金

Q.会社の建物を建て替えるための建築許可を市に申請した際、公道の拡幅用地として前面道路に接する土地の一部を市に寄附し、その舗装費用も負担するよう求められました。この寄附した土地の帳簿価額と舗装費用を全額損金に算入できますか?

A.国や地方公共団体への寄附金は、損金算入の上限にかかわらず、全額損金の額に算入できます。しかし、その寄附によって建設された設備をその寄附をした人が専ら利用するなど、寄附をした人に特別の利益が及ぶ場合には、これは寄附金と見なされません。そのような場合、自分が利益を受ける公共施設の設置や改善のためにかかった費用は、税法上繰延資産として扱われます。あなたの場合、寄附した公道の拡幅部分をあなたの会社が使用し利益を受けることになり、また、ビルの建て替えが必要だったための寄附と舗装費用ですので、税法上繰延資産となります。ただし、公道であるため、あなたの会社が専ら使用するわけではないので、償却期間は寄附した舗装路面の耐用年数に応じた年数になります。寄附する土地は帳簿価額ではなく時価で繰延資産に計上し、時価と帳簿価額の差額を益金に算入するかという問題については、法人が自らの施設や工作物を無償で国などに提供した際には、その施設または工作物の価額に相当する金額を示すだけで、帳簿価額か時価かを明示していません。しかし、自らの施設を無料提供する点を考慮して、帳簿価額で繰延資産に計上することが認められています。その償却期間は、土地と舗装費用を区分せずに市に提供した点を考慮し、舗装道路と舗装路面の最長耐用年数である15年をその施設や工作物の耐用年数として、その期間の償却が認められています。

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