完全子会社が分割される場合の会計処理と税務上の適格分割の取り扱い

Q.完全子会社B社をA社が分割し、Y事業部門の資産及び負債を吸収する場合、会計処理と税務上の適格分割の取り扱いはどのようになるか。

A.親子会社間での会社分割は、税法上「完全支配関係がある法人間の分割」として扱われますが、この場合は逆の条件に該当します。無対価分割となるため、以下のような会計処理と税務上の取り扱いが必要になります。

1. A社(分割承継会社)とB社(分割会社)の会計処理:

   – A社は、B社から受入れる純資産の差額(資産200 – 負債110 = 90)に対して、所有するB社株式の帳簿価額200から減額し、その差額30を特別利益(その他利益剰余金)として計上します。

   – B社は、純資産の減少額90を繰越利益剰余金の減少として処理し、これには株主総会の承認が必要になります。

2. 税務上の適格分割の取り扱い:

   – 分割承継会社(A社)が分割会社(B社)の全ての発行済株式等を所有している場合、無対価分割であっても適格分割に該当します。

   – A社及びB社は、法人税申告書において、以下のように記載する必要があります:

     – 移転された資産の帳簿価額、移転された負債の帳簿価額、および資本金等の額を減少させる額を計算し、これに基づき貴社が計上した特別利益30を別表四で減算(留保)し、利益積立金額の増加は税務上の留保利益とは関係ないものとして扱います。

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