Q.現金主義から発生主義への切り替えを行う際、年初の売掛金や買掛金等の処理方法を教えてください。
A.現金主義から発生主義へ会計処理を切り替える際、まずは収入として計上していなかった金額や、支払っていない金額にどう対処するかが問題になります。発生主義へ切り替えた年の初めにおける売掛金や買掛金等については、前年までの現金主義の経理で総収入金額または必要経費として計上されていない分が、発生主義の下では売掛金が発生した時点で総収入金額に入れるため、入金時に再度収入に加えることはありません。その結果、前年から繰り越された売掛金や買掛金等は、発生主義の経理でその年の所得金額の計算上調整されることになります。具体的には、発生主義へ切り替えた年の初めにおける売掛金等の金額から、前年末の売掛金等の金額を引いたものが、その年の総収入金額に加算または減算され、同様に買掛金等についても必要経費に加算または減算されることになります。この処理により、発生主義に切り替えた年分の総収入金額に加算する金額は380万円、必要経費に加算する金額は280万円になります。
参考:
売掛金増加分180万円 + 受取手形増加分200万円 = 380万円
買掛金増加分150万円 + 支払手形増加分130万円 = 280万円