Q.今年5月に叔父から建物の贈与を受け、所有権移転登記を終えました。しかし、同年10月に台風により建物が全壊し、損害保険金200万円を受け取りました。この場合、贈与税の計算はどのようになりますか。
A.贈与で受けた建物が災害(震災、風水害、火災など)により被害を受けた場合、その被害が受贈財産価額の10%を超える場合、贈与税が軽減されることがあります。災害が贈与税の法定申告期限後に発生した場合と期限前に発生した場合で、贈与税の取り扱いが異なります。
1. 法定申告期限後に災害があった場合、災害後に支払うべき贈与税額の一部が免除されます。免除額の計算には、損害保険金などで補填された金額は除外します。免除を受けるには、災害の詳細と被害額を記載した申請書を、災害が収束した日から2カ月以内に提出する必要があります。
2. 法定申告期限前に災害があった場合、災害による被害部分の価額(損害保険金で補填された金額は除外)を贈与によって取得した財産の価額から差し引いて課税価格を計算します。この特例を受けるためには、被害の状況と被害額を記載した贈与税の申告書を、申告期限内に提出する必要があります。
ご質問のケースでは、法定申告期限前に災害による被害を受けているため、次のように贈与税の計算が行われます。
– 課税価格の計算: 贈与で受けた建物の評価額300万円から、損害保険金200万円で補填された後の損害分100万円を差し引き、200万円が課税価格となります。
– 贈与税額の計算: 課税価格200万円から基礎控除額110万円を差し引いた90万円に対して、税率10%を適用して計算した結果、贈与税額は9万円となります。