出向役員に支払う給与と出向先から受け入れる給与負担金の差額の取扱い

Q.親会社において甲に支払う給与の額と子会社から受け入れる給与負担金の額との間に差額がある場合、その差額は税務ではどのように取り扱われますか。

A.この状況には二つの主なケースがあります。

1. 親会社が甲(出向役員)に支給する給与が子会社から受け取る給与負担金を超えるとき、この場合の差額は「較差補てん金」と見なされます。この金額は、出向が親会社の必要によるものであり、甲には親会社に対する給与請求権があるため、親会社の損金として扱われます。さらに、子会社が経営不振で甲に賞与を支払えない場合や、子会社が海外にあり出向中の家賃手当を親会社が負担する場合も、この較差補てん金の扱いに該当します。一方、子会社の負担額が計算された給与ベースを下回る場合、その差額は親会社から子会社への寄附金として扱われます。

2. 親会社が子会社から給与額を超える給与負担金を、例えば経営指導料として受け入れる場合には、その超過額が相当と認められるかどうかで税務上の判断が異なります。超過額が甲の出向以外の経営指導など正当な対価として扱われれば問題ありませんが、そうでなければその超過額は子会社から親会社への寄附金として扱われます。また、社会保険事務などの費用も、その金額が相当と認められれば寄附金ではないとされます。

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