Q.免税事業者であった期間に課税資産を譲渡した後、課税事業者になってから仕入れや売上げに関する返品や割戻しを行った場合、消費税法における対応はどのようになりますか?
A.免税事業者であった期間に課税資産を譲渡した場合の消費税額の調整は、課税対象となった対価が返還された際に行われます。この期間に譲渡した資産について、課税事業者になった後に生じた仕入れや売上げの返品・割戻しは、消費税免除期間の活動に基づくものであるため、仕入れに対する消費税額の控除の特例(消費税法第32条第1項)や売上げに対する消費税額の控除(消費税法第38条第1項)の適用外です。しかし、免税期間に課税仕入れに関する返還があった場合で、消費税法第36条の適用を受けた棚卸資産に関しては、仕入れに対する消費税額の控除の特例が適用されます。基準期間における課税売上げの計算や課税売上割合の計算では、この期間の売上げに関する返還があっても、その売上げに基づく消費税額は考慮されず、課税売上高及び課税売上割合の計算から除外されます。
参考:法9②、32①、36、38①、令48①、基通12-1-8、14-1-6