Q.昭和56年に建てた家屋がある借地を平成30年に買い取り、令和5年3月に家屋と土地を譲渡した場合、特定の居住用財産の買換えにおける長期譲渡所得の課税の特例の適用はどうなるか。土地は時価1,000万円で500万円で買い取った。
A.このケースでは、家屋と借地権部分の譲渡収入だけが特例の対象となります。借地権を持つ人がその土地を購入する際、取得日は借地権部分と実際の土地部分とで分けて考えられる必要があります。質問の状況では、家屋と借地権部分は譲渡年の1月1日時点で所有期間が10年を超えているため、特例が適用されます。しかし、実際の土地部分についてはその時点で所有期間が10年未満であるため、特例の条件には当てはまりません。従って、譲渡収入金額を特例の対象となる借地権部分と適用外の実際の土地部分に分ける必要があります。仮に家屋と土地の譲渡対価総額が4,000万円、土地の譲渡価格(時価)が3,000万円だった場合、特例の対象となる譲渡収入金額は2,500万円になります。また、特例の適用を受けられない短期譲渡所得は1,000万円になります。