Q.会社が定期借地権者として土地を賃借する場合、以下の点について教えてください。①地主に支払った権利金は定期借地権の存続期間を償却期間として減価償却できるか②権利金や相当の地代を支払わない場合、借地権受贈益の認定課税は行われないか③借地上に新築した建物の法定耐用年数が定期借地権の存続期間より長い場合、定期借地権の存続期間を耐用年数として減価償却できるか④将来借地権の期間満了時に再契約して更新料を支払う場合、借地権の帳簿価額を一部損金算入できるか。
A.この問題に関しては、法人税の取り扱いが明示されていないため、以下の解釈をします。①定期借地権においては、更新がなく契約が満了すると権利が消滅します。従って、地主に支払った権利金は、契約期間の満了で意味をなさなくなります。理論的には、定期借地権の存続期間を減価償却期間と考えることが可能ですが、現行法令では減価償却資産に定期借地権を含んでいないため、減価償却は認められていません。ただし、企業会計上は減価償却し、申告調整すべきです。また、将来の法改正で定期借地権を減価償却資産とすることが望まれます。②定期借地権においては、権利金を授受する取引慣行がないため、権利金や相当の地代を支払わなくても借地権受贈益の認定課税はされません。ただし、役員間や関連会社間での契約の場合は、「無償返還届出書」を提出することが推奨されます。③定期借地権であっても、借地上の建物の償却は、法定耐用年数に基づいて行う必要があります。耐用年数を短縮する申請は、現行の法令では認められていません。④契約期間の満了により定期借地権が失効した場合、再契約は新たな借地権の設定となり、以前の定期借地権の帳簿価額は全額を損金として計上します。