Q.震災特例法に係る所得税の特例のあらましについて、その主なものを説明してください。
A.平成23年4月27日に公布、施行された「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(震災特例法)は、東日本大震災で被害を受けた人たちに対して、以下のような特例措置を提供します。
1. 災害減免法と雑損控除の特例:被災した住宅や家財の被害に対して、災害減免法による税の軽減か雑損控除のどちらか有利な適用を選べ、所得税の軽減が可能です。通常は平成23年分の所得税に適用されるものですが、特例により平成22年分の所得税にも適用することができます。さらに、雑損控除でカバーできない損失に関しては、翌年から5年間繰り越すことが可能です。
2. 被災事業用資産の損失の必要経費算入特例:被災した店舗などの事業用資産の損失に対し、平成22年分の事業所得などの必要経費に算入する選択が可能です。
3. その他の主な特例措置として、震災関連の寄附金控除特例、財産形成住宅貯蓄契約の要件に該当しなくなった場合の課税特例、被災代替船舶の特別償却、被災者向け優良賃貸住宅の割増償却、被災した個人の債務処理計画に関する課税特例、特定事業用資産の譲渡所得の課税特例、住宅取得時の所得税額特別控除適用期間特例、住宅借入金の特別控除額特例などがあります。