Q.私は以前800万円で購入した宅地を未利用のまま所有していましたが、この度、知人にこの宅地を譲ることになりました。ところが土地価格の下落により、この宅地の現在の時価は、500万円程度となっています。この土地を時価相当の500万円で売却すると300万円の損失がでますが、この損失は他の所得と通算できるのでしょうか。
A.あなたが譲渡することになった未利用の宅地に関して生じる損失は、他の所得と通算することができません。昔は個人が土地や建物を売って損失が出た場合、その損失を他の譲渡所得や様々な所得から引くことができました。しかし、平成16年1月1日以降に売却する土地や建物で損失が出た場合、その損失は他の土地や建物の売却で得た利益からのみ引くことができ、土地や建物以外の収益から引くことはできなくなりました。また、その年に他の資産を売って損失が出たとしても、その損失を土地や建物の売却利益から引くことはできません。ただし、5年を超える期間所有していた住宅用の財産を売った場合は、一定の条件下で損失を他の所得と通算することや、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越して控除することが可能です。ですが、あなたのケースでは譲渡される物件が未利用の宅地であるため、他の所得との損益通算はできないこととなります。