Q.3月31日決算の会社です。令和5年3月期は所得金額が1,000千円ありましたが、令和6年3月期は欠損金額が4,000千円生じました。この欠損金額について繰越欠損金の損金算入制度を利用したいのですが、その方法を具体的に教えてください。
A.繰越欠損金の損金算入制度とは、内国法人がこれまでの9年または10年以内に生じた、まだ繰越したり還付を受けたりしていない欠損金を、一定の期間内(中小法人なら100%、それ以外の法人は所得の50%まで)所得から差し引ける制度です。ご質問の会社が中小法人等に当てはまる場合、令和6年3月期の4,000千円の欠損金から1,000千円を令和5年3月期の所得に対して還付請求に使用し、残りの3,000千円は令和6年3月期以降の10年間の所得から差し引けます。例えば、令和7年3月期と令和8年3月期にそれぞれ2,000千円、2,500千円の所得があった場合、令和7年は2,000千円を全額差し引き、令和8年は残りの1,000千円を差し引いて1,500千円の所得とします。この制度を利用するには、欠損金が発生した事業年度に青色申告書の提出、帳簿書類の整理と保管、確定申告書への「欠損金の損金算入等に関する明細書」の添付が必要です。また、事業年度を変更すると、繰越欠損金を差し引ける期間が変わる可能性があるので注意が必要です。