Q.間27-201Xl期に棚卸資産評価損100万円を計上しましたが、税務上は損金不算入となりました。X2期にこのうちの80万円を処分して当該額だけ損金算入した場合、Xl期とX2期における①税効果会計の適用に当たっての仕訳と、②申告調整方法はどのようになりますか。なお、法定実効税率はXl期末は35%でしたが、X2期末には税法改正によって30%になりました。
A.Xl期の処理では、棚卸資産評価損100万円に対し、その35%に当たる35万円を繰延税金資産として計上しました。この際の仕訳では、35万円を繰延税金資産(借方)として記入し、同額を法人税等調整額(貸方)として処理します。申告調整では、法人税等調整額の35万円を減算して、繰延税金資産を記入します。X2期には、処分した80万円に対して30%の税率を適用し、残った20万円に対して6万円の繰延税金資産が生じます。これにより、以前の35万円から新たに計算された6万円を引いた29万円を調整して記録します。税効果会計では、資産負債法を使用しており、将来税率の変更があった場合は、それに基づいて繰延税金資産や負債の額を再計算します。また、繰延税金資産の回収可能性が必要とされますので、申告時にはそれらの要素を考慮して処理を行う必要があります。