Q.棚卸資産の評価損の計上額は、どのようにして棚卸資産をグルーピングして算定すればよいのですか。具体的に説明してください。
A.棚卸資産について評価損を計上する際、評価損の計算における単位は、税法上、「棚卸資産の種類や品質、形状などが異なるものごと」および「法人税法施行令において定められた具体的事実(例えば、災害による損傷など)が異なるものごと」とされています。これは、棚卸資産をその種類や状態によってグループに分け、低価法を用いる際に低下した価値を判断する基準と同じです。評価損の計上にあたっては、まず棚卸資産を「計上可能な評価損の事実が異なるものごと」に分類し、次に同じ事実に基づく棚卸資産群ごとに帳簿価額と時価を集計します。その後、集計された帳簿価額と時価の差額が計上できる評価損の金額となります。
例えば、ある商品が通常の販売方法では売れなくなった場合(棚ざらし品として)、その商品の中で棚ざらしによって価値が下がったもの(棚ざらし品A、B、C)があったとします。この場合、同じ商品種類の中でも、棚ざらしの程度が異なるBとCだけを取り上げて評価損を計算することはできません。良品は計算に含めず、棚ざらし品全体の帳簿価額と販売可能価額の差額を評価損とします。物質的原因(棚ざらし、災害による損傷など)による評価減は、同種類の棚卸資産の一部にだけ生じる可能性がありますが、全体に対して評価減をすることはありません。また、商品内で異なる原因(例えば、災害による損傷)で価値が下がった場合は、棚ざらしとは別に評価損の計算を行います。