Q.最後事業年度の清算確定申告書は、原則として残余財産が確定した日の翌日から1月以内に提出しなければならないとされていますが、当該事業年度の決算は、会社法第507条第3項に規定されている株主総会において承認を受けることになるのですか。
A.内国法人が清算中で残余財産が確定した場合、その確定した日の翌日から1ヶ月以内に最後事業年度の確定申告書を提出する必要があります。ただし、この期限は残余財産の分配や引き渡しが行われる日の前日までとなります。残余財産の分配や引き渡し後には納税資金がなくなるため、分配や引き渡し前に確定申告書を提出して、その中で記載された法人税を期限までに納付しなければならないことになります。
清算事務終了報告総会、すなわち会社法第507条第3項に規定される株主総会は、清算株式会社が清算事務を終了した後、遅滞なく清算報告を作成し、これを提出して株主からの承認を受けるためのものです。この報告には残余財産の額やその1株当たりの分配額を含める必要があり、株主総会は残余財産の分配後に開催されます。
最後事業年度の確定申告と税金の納付は清算事務終了報告総会で報告すべき内容の一部であり、最後事業年度の確定申告書を提出する際には、この総会で承認された決算報告に基づくわけではないため、残余財産の額は総会の決議によって確定されるのではなく、追認されるものです。
また、最後事業年度の確定申告による所得税額の還付が行われる場合も、その還付税金を受領し、含めた残余財産の分配をもって清算事務が終了し、その後に清算事務報告総会を開催して決算報告の承認に基づき清算結了登記を行うことが一般的です。しかし、税務の実施面では清算結了登記完了が税金の還付条件とされるため、未収の還付税金を残余財産として申告し、受領後の分配を清算事務報告書に記載して承認を受けなければならないケースもあります。この場合、清算結了登記後の法人が還付税金を受け取ることはできず、清算事務を行った清算人が受け取り、清算事務報告で記載された方法に従って分配することになります。