Q.次のような債権は、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定の対象になりますか。
A.一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定の対象となるのは、売掛金、貸付金やそれらに似た金銭債権です。質問された債権の中で、敷金、手付金、前渡金、前払費用、未決済デリバティブ取引関連の差金勘定などはこれには該当しません。
具体的には、敷金は不動産を借りる際に賃貸人に保証として提供された金銭であり、営業取引から生じた金銭債権ではありません。手付金や前渡金は資産取得や費用支出に充てられるため、金銭債権ではなく、商品やサービスの提供と引き換えに支払うものです。前払費用も将来精算されるための一時的な支出であり、金銭債権とは見なされません。未決済デリバティブ取引に関する差金勘定も、金銭債権とは扱われません。
一方で、簿外貸付金、政府機関への売掛金、確実な担保や保証人がある貸付金、立替金は、金銭債権に該当し、一括評価金銭債権に基づく貸倒引当金の設定の対象となります。ただし、不正行為から生じた貸付金は除外されます。