Q.取引相場のない株式の評価方法について説明してください。
A.取引相場がない株式を評価する際には、その株式を発行している企業の規模を基にして、適用される評価方法が変わります。企業規模の判定には、卸売業、小売・サービス業、その他の業種に分けて、総資産額や従業員数、取引金額などに基づいて行います。具体的に言うと、規模に応じて、大会社、中会社、小会社に分類され、それぞれの会社に対して異なる株式評価方法が適用されます。
大会社の株式は、類似業種比準価額によって評価することができ、代替として1株あたりの純資産価額による評価を選択することも可能です。中会社の株式は、類似業種比準価額と1株あたりの純資産価額を併用する方法で評価されますが、純資産価額のみでの評価を選択することもできます。小会社の株式は基本的に1株あたりの純資産価額で評価されますが、経営者の選択によって、中会社で用いている併用方式を適用することが可能です。
この評価方法は、企業が持つ資産の価値や業界内での相対的な状況、市場における収益性などを考慮して定められています。具体例として、類似業種比準方式では資産の帳簿価額に加えて、利益や配当などの収益要素を、事業内容が似ている上場企業の株価と比較して株式の価値を評価します。また、純資産価額方式では、企業が保有する資産の評価額と負債の合計額及び法人税額等を差し引いた金額をもとに、株式の価値を計算します。これらの方法により、市場で取引されていない株式の価値が算出されます。