Q.「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の概要について教えてください。
A.日本に住んでいる人、または日本に事業拠点を持つ外国人が特定の先物取引で利益や損失を確定させた場合、その取引から得た事業所得、譲渡所得、および雑所得の合計額に対して、通常の所得とは別に特別な課税方法が適用されます。この特別な課税方法では、所得税が一律15%(地方税を加えると合計20%)です。ただし、平成25年から令和19年までの確定申告には、所得税に復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が加わります。
適用対象となる先物取引には、ある条件を満たした商品先物取引や金融商品先物取引、カバードワラントなどが含まれます。ただし、対象外の取引もあります。
先物取引から生じた損失は、他の先物取引の所得との損益通算は可能ですが、先物取引以外の所得との通算はできません。さらに、先物取引で生じた損失は、特定の要件を満たせば、今後3年間に渡って繰り越して控除することができます。
確定申告をする際は「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を提出する必要があり、その明細書には取引に関わる収入や経費の詳細を記載します。
先物取引を行う人は、取引を行う都度、名前や住所、個人番号または法人番号を先物取引を委託する業者などに提出し、本人確認のための書類提示も必要です。ただし、令和2年5月1日から12月31日の間に行われる特定の取引については、この手続きが免除されます。