Q.中小法人等に対して特例により認められている一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の法定繰入率による繰入れについて、その内容を説明してください。
A.中小の企業には、一括評価金銭債権(簡単に言うと、一括で評価されたお金を貸している債権)の総額から計算される貸倒引当金(貸し倒れるリスクを見越した引当金)の繰入れに関する特別な規定があります。具体的には、これらの企業は貸し倒れ実績率ではなく、所定の法定繰入率を掛け合わせることで貸倒引当金の上限額を計算でき、この方法を選ぶことが認められています。
この特例適用の条件として、通常、資本金や出資金の総額が1億円以下の法人(一部の例外除く)が対象とされ、特定の規模以上の企業や特定の業種の企業はこの特例の対象外となっています。また、事業の種類によって異なる法定繰入率が設定されており、卸売および小売業には2%、製造業や一部のサービス業には1%、その他の事業には0.5%の率が適用されます。
利用したい企業は、特例の適用を受けるために一定の手続きを行う必要があり、貸倒引当金の計算においては、実質的に債権と見なされない部分の金額を差し引く必要があります。また、この特例の利用には、「租税特別措置の適用額明細書」を法人税申告書に添付することが求められます。